- この記事のハイライト
- ●不動産売却で利益を得ると所得税がかかる
- ●住民税は所得税とセットで計算される
- ●3,000万円特別控除が適用されると所得税と住民税が節税できる
不動産売却ではさまざまな費用がかかりますが、なかでも複雑な計算が必要なのが「税金」です。
そこで今回は、不動産売却でかかる所得税や住民税、その他の税金についてご紹介します。
節税対策に有効な特例も併せてお伝えしますので、群馬県太田市で不動産売却を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
不動産売却ではさまざまな費用がかかりますが、なかでも複雑な計算が必要なのが「税金」です。
そこで今回は、不動産売却でかかる所得税や住民税、その他の税金についてご紹介します。
節税対策に有効な特例も併せてお伝えしますので、群馬県太田市で不動産売却を検討中の方は、ぜひ参考にしてみてください。
結論から言うと、不動産売却で所得税がかかるのは、売却によって利益を得たときです。
会社員などの給与に代表されるように、収益を得た場合には、「所得」として税金が課されます。
不動産売却による収益は「譲渡所得」と呼ばれ、所得税の対象です。
ただし、不動産売却の際の売買価格が、そのまま譲渡所得になるわけではありません。
純粋な収益を算出するために、不動産の購入価格、購入した際にかかった費用、売却した際にかかった費用は、売買価格から差し引くことができます。
このとき、不動産の購入価格のうち、建物部分の計算には注意が必要です。
建物は経年劣化によって価値が低下するため、購入価格から減価償却費を差し引かなければなりません。
なお、購入価格と購入した際にかかった費用を併せて取得費、売却した際にかかった費用は譲渡費用と呼ばれます。
これらを踏まえた譲渡所得の計算式は、下記のとおりです。
譲渡所得=売買価格-(取得費+譲渡費用)
相続した不動産などで取得費が不明な場合は、概算で「売買価格×5%」を取得費とすることが認められています。
所得税の算出方法は、下記のとおりです。
所得税=譲渡所得×税率
税率は、不動産の所有期間によって異なります。
所有期間は、売却した年の1月1日時点を基準に判断されることも覚えておきましょう。
また、2037年12月31日までは、復興特別所得税もかかります。
復興特別所得税とは、東日本大震災の復興における財源確保のために課される税金で、税率は下記のとおりです。
一時的に大きな利益を得る譲渡所得では「分離課税」が適用され、一般的な給与所得などとは分けて計算されます。
そのため、不動産売却でかかる所得税は個別で確定申告が必要となり、売却した翌年に申請して納税します。
確定申告の期間は、2月16日から3月15日までです。
その年によって期間は多少前後しますので、国税庁のホームページなどで確認しましょう。
不動産売却では、所得税以外にも、さまざまな税金がかかります。
どのような税金があるのか、把握しておきましょう。
住民税
所得税と同じように不動産売却で利益を得た場合にかかる税金です。
詳しくは、次の章でご説明します。
印紙税
売買契約書に貼付する印紙にかかる税金です。
売買価格にともなって、次のように金額が定められています。
なお、()内は2022年3月31日までの軽減措置が適用された金額です。
登録免許税
売却する不動産に付いている抵当権を抹消する際にかかる税金です。
不動産売却においては、住宅ローンを借りる際に設定されている抵当権を抹消する必要があります。
抵当権は住宅ローンを完済しても自動的に抹消されるわけではないため、注意しましょう。
抵当権抹消の登記手続きにかかる登録免許税は、不動産(土地や建物)1件につき1,000円です。
土地+建物の場合は、2,000円かかります。
消費税
不動産売却では、下記のような項目に消費税がかかります。
続いて、不動産売却における住民税についてご紹介します。
住民税とは、居住している住民が地域でかかる費用を負担するという名目で、所得税と併せて課される税金です。
そのため、不動産売却で利益を得ると、所得税のほかに住民税もかかります。
給与所得などに対して納税する住民税は税率が一律10%と定められていますが、不動産売却における住民税は税率が異なるため、注意しましょう。
また、所得税は国に納める税金ですが、住民税は都道府県や市区町村に納める税金という違いもあります。
住民税の算出方法は、下記のとおりです。
住民税=譲渡所得×税率
不動産売却における住民税も所得税と同じように、譲渡所得に対して、定められた税率をかけると算出できます。
不動産売却でかかる住民税は、所得税の確定申告を完了すると自動的に計算されるため、特別な手続きは不要です。
ただし、所得税とは納税時期が異なる点に注意してください。
不動産売却における住民税は、確定申告後の6月頃、1月1日時点に居住していた地域の自治体から住民税納付書が送付されたあとに納税します。
自治体によって対応は変わりますが、一括納付のほかに、6月・8月・10月・翌年1月のように4期に分けて納税することも可能です。
納付書による納税方法を「普通徴収」と呼びますが、「特別徴収」を選択すると、給与からの天引きも可能です。
最後に、不動産売却において所得税や住民税の節税になる特例についてご説明します。
代表的な2つの制度は、下記のとおりです。
マイホームを売却した場合、一定の要件を満たすと、譲渡所得から3,000万円を控除できる制度です。
この制度が適用されたときの譲渡所得の計算式は、次のとおりです。
譲渡所得=売買価格-(取得費+譲渡費用)-3,000万円
このとき、譲渡所得がゼロ以下になれば、所得税と住民税はかかりません。
不動産の所有期間が10年を超える場合、一定の要件を満たすと、所得税と住民税にかかる税率が軽減される制度です。
この特例が適用されたときの税率は、下記のとおりです。
ただし、この特例が適用できるのは譲渡所得の6000万円までの部分で、6000万円を超える部分については通常の税率で算出されます。
長期譲渡所得の軽減税率の特例は、3,000万円特別控除との併用が可能です。
また、万が一、不動産売却で利益を得られなかった場合は、「損益通算」と「繰越控除」という救済制度があります。
損益通算は、不動産売却における損失を別の所得から差し引き、発生する税金を抑えられる制度です。
損失をその年の所得から引ききれなかった場合は、最長3年間繰り越して差し引きできます。
この制度を繰越控除と呼びます。