相続した不動産を売却する流れは?注意点や相続登記についても解説

2023年03月29日

相続した不動産を売却する流れは?注意点や相続登記についても解説

この記事のハイライト
●相続した不動産を売却するまでには、死亡届を提出してから複数の手続きが必要
●不動産の相続登記は義務ではないが、なるべく早めに済ませておくほうが良い
●被相続人から相続人に不動産の名義変更をすることを相続登記と言う

相続した不動産をそのままにしておくと、複数の相続人で分けにくく、維持管理のために費用がかかるなどの問題が生じます。
そのため、相続した不動産は売却によって現金化してから、遺産分割することが一般的です。
この記事では、相続した不動産を売却するまでの流れと注意点、また、相続登記についてご説明いたします。

目次


1.相続した不動産を売却するまでの流れ
2.相続した不動産を売却する際の注意点
3.不動産売却と相続登記の関係
4.まとめ 

相続した不動産を売却するまでの流れ

被相続人が亡くなってから、相続した不動産を売却するまでの一般的な流れをご紹介いたします。

  • 死亡届の提出(死後7日以内)
  • 遺言書の確認
  • 相続財産と相続人の確定
  • 遺産分割協議
  • 相続登記
  • 相続した不動産の売却
  • 相続人で利益を分割

このような流れで進むのは、有効な遺言書がなく、不動産を売却した利益を相続人で分割することが遺産分割協議で合意された場合です。
遺言書がある場合はその内容に従って遺産分割されるため、この流れは当てはまりません。
ここでは一般的におこなわれることの多い、このようなケースを前提にご説明いたします。

死亡届の提出から遺言書の確認まで

死亡届は期限が定められているため、なるべく早く提出しましょう。
遺言書があるかどうかによってその後の流れが大きく異なるため、入念に探すことが大切です。
遺産を分割した後から遺言書が見つかると、相続人同士のトラブルに発展することもあります。

相続財産と相続人の確定

どのような相続財産があり、誰が相続人かを確認する必要があります。
相続財産は現金や不動産などのプラスの財産だけでなく、借入金などのマイナスの財産もすべて含めて計算します。
一部の財産だけを選択して相続することはできないため、どのような相続財産があるのかをすべてチェックしておきましょう。
また、誰が相続人としての権利があるかは、被相続人の出生から死亡までのすべての戸籍謄本を取り寄せればわかります。
取り寄せには時間がかかることも多いため、なるべく早く動き始めるようにしましょう。

遺産分割協議から利益の分割まで

遺産分割協議では、相続財産をどのように分割するかを相続人全員で話し合って決めます。
そこで不動産を売却することが合意されたら、その内容に沿って手続きを進めていきます。
どのように売却し、その後の利益の分割をどのようにするかも遺産分割協議で決めることになります。
相続した不動産の売却は通常の不動産売却とほとんど変わらず、不動産会社に仲介を依頼して売却することが多いです。
なお、売却前に必要となる相続登記の説明については後述いたします。

相続した不動産を売却する際の注意点

相続した不動産を売却する前に、覚えておきたい注意点についてご説明いたします。

注意点1:遺産分割協議では相続人全員の同意が必要

相続財産をどのように分割するかを決める遺産分割協議では、必ず相続人全員の同意が必要となります。
相続人が遠方にいる、また、なかなか居場所がわからないことなどもあるため、全員に連絡を取るだけで時間がかかることも珍しくありません。
遺産分割協議には明確な期限がないため、話し合いが長引いてしまうこともあります。
どうしても合意に至らない場合は家庭裁判所で遺産分割調停を申し立てる必要があることも覚えておきましょう。

注意点2:不動産売却の代表者と最低価格を決めておく

相続人全員で不動産売却をおこなうと、細かな手続きのたびに全員に連絡が必要となり、スムーズな取引が難しくなります。
そうならないために、不動産売却において窓口となる、相続人の代表者を選出しておくことが大切です。
同時に、不動産売却の際にはあらかじめ売却の最低価格を決めておくことをおすすめします。
不動産売却では購入希望者から値下げを要求されることも多いですが、そのたびに相続人全員で話し合っていては売却の機会を逃しかねません。
前もって売却の最低価格を決めておけば、その範囲内で代表者が売却価格の値下げを判断することができます。

注意点3:相続後の不動産売却は早めにおこなうほうが良い

相続した不動産の売却には手間がかかるため、つい放置してしまいたくなるかもしれません。
しかし不動産を相続すると、その不動産を所有している相続人は相続税の他に、毎年の固定資産税を支払う義務が生じます。
相続開始から3年10か月以内に相続不動産を売却すれば受けられる税制上の特例などもあるため、相続した不動産はなるべく早く売却するようにしましょう。

注意点4:相続登記は早めにおこなうと良い

不動産の名義を被相続人から相続人に変更する「相続登記」は義務ではありません。
相続登記をしないことによる罰則もありませんが、相続登記をしないでおくことで多くのデメリットが発生するため、なるべく早くおこなうほうが良いでしょう。
相続登記については次章でご説明いたします。

不動産売却と相続登記の関係

ここでは相続登記とはなにかと、不動産売却と相続登記の関係についてご説明いたします。

相続登記とは

相続登記とは、不動産を所有している方が亡くなった際に、その不動産の相続人が元の所有者から自分に名義変更するための手続きのことです。
この相続登記をしなければ、その不動産は亡くなった被相続人の名義のままになりますが、固定資産税の支払いや管理の義務から逃れられるわけではありません。
前述したとおり、相続登記は義務ではありませんが、相続登記をしなければ不動産売却においても不都合が生じてしまいます。

相続登記をしない場合1:不動産売却ができない

相続登記をしなければ、その不動産は被相続人の名義のままとなります。
名義が売主のものでなければ、自分がその不動産の所有者であるという証明ができません。
他人名義の不動産を売却することはできないと民法で定められているため、売却前には必ず相続登記をするようにしましょう。

相続登記をしない場合2:不動産の活用が難しい

不動産の名義が被相続人のままでは、不動産を賃貸物件として活用するなどが難しくなります。
賃貸物件として貸し出す際には、借主に重要事項説明書のなかで「登記簿に記載された事項」について説明する必要があります。
そこで登記上の所有者が被相続人のままとなっていると、事実と違う所有者であることについて借主は疑問に思うでしょう。
その度になぜこのような登記になっているのかについて説明しなければならず、正当な理由がなければ借主からの信頼を失う可能性もあります。
不動産活用を考えているなら、相続登記はおこなったほうが良いでしょう。

相続登記をしない場合3:不動産を担保にできない

不動産の名義変更をしなければ、不動産を担保として融資を受けることができません。
融資を受ける際、返済が困難になったときに備えて、金融機関に提出しておくのが担保です。
実際に返済ができなくなったときには金融機関が担保を売却することで融資金額を回収します。
しかし名義が被相続人のままになっている不動産は売却することができないため、担保としての機能を果たしません。
そのため、相続登記がされていない不動産は担保として認められず、融資を受けることができなくなります。

まとめ

相続した不動産を売却する際の流れと注意点、また、相続登記についてご説明いたしました。
相続した不動産を売却するためには相続登記などの手続きが必要ですが、売却によって現金化することができれば遺産分割もスムーズに進みます。
わたくしども「エムズ不動産」では、群馬県太田市の不動産売却で実績を積んでまいりました。
相続した不動産に関するお悩みは、弊社までお気軽にご相談ください。
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